チョコミントマウンテン。

雑記

チョコミントが苦手だ。

私自身は甘いものが大好きで特に洋菓子が好きである。

ケーキ、パンケーキ、シュークリーム、チョコレートなどが好き。生クリームやカスタードクリームも大好きである。チョコレートはバニラと合わせたり、チョコレートを食べながら牛乳を飲むのが最高と個人的には思っている。

友達とチョコミントについて話した際、つい

「あれは歯磨き粉の味では…?何が美味しいのか分からない」

…と発言した事がある。それを聞いた友人が

「チョコミントを歯磨き粉と言う奴は、許さねえ!」

と怒ってしまった。何やら地雷を踏んでしまったようである。

「マグロは鉄の味がする」と同じ感覚で、煽りではなく比喩のつもりで話したつもりだったんだけど。

あまりにもチョコミントの「歯磨き粉」という比喩が言葉として使いやすかったからか、煽りで使う人も少なくなかったらしく、チョコミント好きの中では地雷発言になってしまったらしい。後で知った事だ。

怒る友人に

「そこまで言うなら、美味いチョコミント教えてくれよ。せっかくなら美味しく食べたいから」

と聞いてみると、友人が面を食らったような顔になり、その後に

「じゃあ色んなチョコミント食いに行くか!!!」

と、話がまとまった。あまりにも早い和解。私でなくても見逃さないね。チョコミントは友情を深めたのである。

それ以降、ちょくちょくチョコミントを友達と食べるようになり、私自身も自分が食べられるチョコミントを探した。

大半は口に合わなかったけど、赤城乳業のチョコミントはとても美味しかった。

めちゃくちゃ甘いミルクチョコレートが固まったまま入ってて、ケースを揉み込むことでチョコレートを割り、中に入ってるミントアイスに絡ませて食べるんだ。

チョコの甘さとまろやかさの中にクドさが普通はあるんだけど、ミントがかなり良い感じに抑えてくれて、チョコの美味しさだけが口に残るアイスだった。

そしてパリパリしたチョコレートの食感が最高である。初めてチョコミントが美味しいと感じた。これは確かに、歯磨き粉ではなかった。少なくともリピートするくらいには美味かった。


そんな苦手なんだけど、憎めない魅力を感じ始めていたチョコミントなのだが。

友人が久々に「チョコミントのイベントに行こうぜ」と誘いに来たので、いつものノリで行ってみることにした。

この「チョコミントマウンテン」を食べようという話だった。ソースの色が…濃…青くない??普段のチョコミントってもっと薄くない?なんていうかもう、およそ食べ物の色をしてなくない?

「君は登り切ることができるのか」

いや、スイーツに付けるフレーズじゃねえから!スイーツは食後に食べるものだったり、「スイーツは別腹」という言葉があるくらい、軽い気持ちで食べる食べ物なの!誰がこんな覚悟持ってスイーツ食べるんだよ!

・・・あ、私達だったわ!私!私達です!
覚悟があるか分かんないけど、とりあえず登るよ!

正直この「最狂」の意味がまったく分かんない。基準はなんなんだ?マウンテンって言うんだし、量が違うんだろうか?私はチョコミントが苦手な意識があったので「狂」にした。

「え~狂?(笑)」

と煽る友人。おいやめろ!現実を見てるの!(笑)じゃねえんだよ!

友人はチョコミントが好きなので「最狂」を選んでいた。まあ、流石にね?煽るくらいなら挑戦して頂かないとねえ…(悪い顔)。

数分待つとやってきた。見た目はチョコレートドリンクの上に、普段からよく見る生クリームとチョコミントアイスが乗っかっているだけ。画像とはだいぶ違う見た目である。

店員さんに聞いてみると、メニューの画像は「最狂恐」のものらしい。青いソースが強烈との事だ。確かに色は強烈だけど…。味は普通のチョコミントなんじゃないの?

早速ドリンクを飲んでみる。すると…チョコレートの味がまったくしない。

舌に伝わってくるのは、まろやかで濃厚なミントの味わい。チョコレートに残ってるのはまろやかさのみであり、味はかすかに感じ取れるかどうかくらい。

見た目からはまったく想像出来ない味である。ようやくここで基準は「ミントの濃さ」であるという事を知った。しかしまだまだ、真の恐ろしさはこれからだったのである。

4分の1くらい飲んだくらいから、舌や喉に異変を感じ始める。喉が痛いのだ。冷たいものを飲んでるはずなのに、なんだか喉をつくような、少し焼け付くような痛みが出てくる。辛いものを食べてる訳でもないから、凄く衝撃的だった。ミントって濃厚にするとこうなるのか。

ほのかに感じてたチョコレート要素は消え去り、後味には薬を飲んだ後のような感覚が芽生え始める。いつもはこのくらいの飲料は一瞬で飲み切れるのだが…痛くてぜんぜん喉を通らない。

とりあえず上にのっていた生クリームとチョコミントを崩し、ドリンクの中に混ぜ込む。これで少しでもマシに…ならなかった。なんならむしろ量が増えた感覚になり、一層辛く感じる。混ぜるんじゃなかったかも知れない。

「君は登り切ることができるのか」

くそ、その通りだった…。これは確かに「チョコミントマウンテン」だ。山とは、物理的な存在だけではない。

こんなドリンクでも、超えなければ飲みきる事が出来ないのだ。「心の山」という意味でこの名を付けたのだろう。登りきるは踏破というが、これはドリンクだから飲破と呼ぶのが正しい気がするけどな!

「ごめん。無理に付き合わせてしまって…」

咳き込みながら飲んでる私に、友人が声をかけてきた。彼は苦しいと言いつつも、なんだかんだ全部飲みきっていた。私からすればバケモンである。すげえなおい。

だが、個人的に無理強いされたなど微塵も思ってない。

「いや、誘ってくれてありがとう。自分で飲みたいと思ったから誘いにのったんだ。やりきるぜ」

なんだかカッコイイ事を言ってるように見えるが、このおっさんはチョコミントドリンクを飲んでるだけである。正直休みながら飲んでると、全く飲み切れる自信がない。なのでもう、一気に飲み進めることにした。

すー…はー…。すー…はー…。と息を整える。

なんだろう。何故スイーツを食べるのに、こんなに真剣にならなければならないのか。私が生きて来た中で、最も真剣にスイーツを食べ…いや飲んでいる気がする。

「君は登り切ることができるのか?」

….そうだ。違う。私はスイーツを食べにきたのではない。この山(チョコミントドリンク)を登りにきたのだ。そんな覚悟では、この山を超えることは出来なかったのだ。

だが踏み入れた以上。この頂を超えるために、この山を飲み込んでいくしかあるまい。一気に飲み込むことにする。

この作戦が功を奏し、一気に飲み進めることは出来た。しかしミント…というより薬品に近い香りが、口いっぱいに広がってくる。中々に苦しい。

しかしまだそれなりに量がある。3割くらいか?このカップってこんなに量があったのか。そんな錯覚を覚える。

すー…はー…。すー…はー…。もう一度同じ作戦で大きく息を吸って呼吸を整える。念のためもう一度書くが、このおっさんはチョコミントドリンクを飲んでるだけである。

もう一度一気に飲み進む。さきほどより濃厚なミントを感じるが、止まると飲み切れない気がしたので喉を唸らして飲み進む。

そして…何とか飲みきる事ができた。
下に溜まっていたと思われる濃厚なミントが口いっぱいに広がり、咳き込んだがどうにか喉を通らせる事ができた。

画像撮るの忘れてしまったので、証拠はないが…確かに飲みきれた。次はちゃんと撮っておこう。

「君は!登り切ることができるのか!?」

登り切ったよ!うるさいな!!!

「狂」。この言葉の通りだった…。その名に恥じないしんどさだったよ。歯磨き粉とかそういう次元じゃない。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。

あまりにも口の中がミントでいっぱいだったので、カスタードがたっぷり入ったたい焼きを2つ食べた。なんだろう。人生で食べたたい焼きの中で、一番美味しく食べる事ができたかも知れない。

私は昔、登山を趣味として楽しんでいたが。
山頂に登った後に食べるカップラーメンや袋麺が最高に美味しかったんだけど。

チョコミントマウンテンも同じだ。登頂後のカスタードたい焼きが最高に美味しい。体験が最初から最後まで登山だった。

チョコミントマウンテン登頂後、友人と体験について話しあった。「これはやばい…3年くらいはチョコミント食べなくて良いかも」など、お互いにチョコミントに多少のトラウマを覚えたものの。

お互いに笑って感想を言い合っていた。しんどかったのは確かだが、なんだろう。個人的には全然悪い気がしない。なんならチョコミントを食べた後のように、心は爽やかな気持ちである。

食事は「美味しいものを食べたい」と基本的には思っている。それは今でも変わらないんだけど。今回のチョコミントマウンテンは、初めて「楽しさのみ」で、食事を終えた経験だったかも知れない。

新人時代、お酒が苦手なので飲み会に行くのが辛かった。おつまみの鶏の唐揚げとかは好きだけど、上司の説教を聴きながら食べても味はしなかった。

食事って美味しさも大事だけど、楽しく食べることも大事だなって。気付くのに随分かかってしまったが、気付けただけ良かったと思う事にする。

私はやっぱりチョコミントが苦手だ。
だけど、最も楽しい思い出があるスイーツでもある。

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